shohei-kun’s blog

自由に書きます。

「大人のための読書の全技術」

大人のための読書の全技術 (中経の文庫)を読んだ。

大人のための読書の全技術 (中経の文庫) | 齋藤 孝 | 哲学・思想 | Kindleストア | Amazon

読書に関しての斎藤先生の想いが綴られている。

初めは読書の現代における重要性が説かれており、中盤に書かれている速読や精読の技術についてはとても役に立った。

この本には、仕事のできない人は読書不足と書かれている。つまり、思考力や工夫する力が足りていないのである。

ショーペンハウアーも「読書について」で

自分の頭で考えずに鵜呑みにした知識より、量はずっと少なくとも、じっくり考え抜いた知識の方が、はるかに価値がある。

と書いており、読書をして知識を知っていると思っているだけではなく、読書を栄養とし、自分自身で再度その知識を取得する、 もっと言えば、自分の考えを読書によって補強するくらいが良いと述べている。

斎藤先生もショーペンハウアーについては引用しており、同意されているようだが、 現代の知識はほとんどが歴史上の知識によりカバーされており、本を読みその知識を手に入れることが自分で生み出すよりも効率的だという立場をとっている。

自分はショーペンハウアーに強く同意しているが、読書がめんどくさいという自分の逃げ道としての面も強く、 斎藤先生の言うように多読もしっかりとできるように努力したいと思う。 ショーペンハウアーもおそらく本はたくさん読んでいるだろう。しかし、おそらくはショーペンハウアーの周りの本の知識だけをひけらかし、自分の知識体系、精神文化を持たないような輩を見て読書について「自分の頭で考える」を書かれたのではないかと思う。

今回読んだ本にも書かれていたが、「私淑」をすると言う言葉がある。

私淑とは、敬慕する人に直接教えを受けることはできないが、ひそかに尊敬し、模範として学ぶことだという。

私が私淑するのは稲盛和夫ショーペンハウアーだろう。

そのどちらも「大人のための読書の全技術」に出てきたので驚いた。(一番驚いたのはシステム思考の話が出た時だが) ともかくかっこいい言葉なので「私淑」と言う言葉を使っていきたいと思ったのである。

速読については多くを学ばせてもらった。

速読に大事なのはまず、読書量である。読書はIQではなく知識で読むものなので、読めば読むほど楽に、早く、正確になるのである。 速読の方法として紹介されているのは、 重要な部分だけをピックアップする方法である。

  • 結論が書かれている章を先に読んでしまう。
  • 二割の部分だけ精読する
  • キーワード量をチェックして重要なページを確認しておく

また、目的の設定が大事だと書いてある。

時間的締め切りの設定や、本を要約して発表すると言うような目的である。

一時間やさらには慣れると20分でもようやくは可能だという。

精読については、 最も基本となるのは素読つまり音読であり。音に出して読んだ言葉は自分の中に乗り移る。 人間は暗唱して語り継ぐ能力を持っているが、現代人にはその能力がどんどん枯渇していってしまっている。 これはまさにその通りで、自分自身も本を読んだはいいものの内容を覚えていないことがほとんどで、恥ずかしい限りである。

具体的に精読をするやり方としては、 引用ベストスリー方式が紹介されている。これは、本から引用したい文章を3つ選びそれを使って人に説明したりして、ようやく力をあげていくというような手法である。 引用はかっこいいと常々思っていたので自分も実践したい。

読書によってもっと幅広いものの見方をしたいと考えた時に必要となるのが森のような読書です。森のように遠くから眺めると森という一つの形態を見せているが、よくよく見るとさまざまな生命の集合体なのです。

引用といいつつ少しつぎはぎをしてしまっているのだが、「森のような読書」というワードがすごく好きなので選びました。

なぜ読めば読むほど楽に、速く、正確になっていくかというと、本は知識で読んでいるものだからです。

本は知識で読む、多読をすればするほど楽に、速く、正確になるというのはある意味では、「速読はテクニックで一朝一夕で手に入る技術ではない」ということと「才能ではなく努力が足りない」というところを教えてくれていると考えています。

SHIROBAKOの杉江さんがおっしゃっていた言葉が思い出されます

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早く描くには巧くなる。巧く描くにはいっぱい描く。いっぱい描くには早く描く。技術とスピードは実は全く別の問題でね。年とって技術を身につけても、一日に描ける量はそうは変わらない。むしろスピードは落ちていく。

速読する場合、一字一句を読み込むことが目的ではない。あくまで、その本の内容を理解することが主な目的です。「本の内容をようやくできればいいんだ」というゴールをはっきりさせることです。

頭から均等に読まない「逆算読書法」の話です。自分は最初から一字一句読もうとしてしまい、途中で挫折してしまうので大切にしたい考え方です。

一冊を読み終えるまでの締め切りを設定することも、速読を身につけるために有効な方法です。

大事な視点なので4点目として。


引用で大事にしているところがわかるのは良いし、会話で引用しているとかっこいい気がする。

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